かもかもペン

映画や本の感想、世の中の出来事を私の物差しで見て綴ります。

リトル ダンサー  何度見直してもステキだ

外国の少年が主役の映画はいい。

でもアメリカとイギリスの少年物はちょっと違う。

好きなのは、アメリカ少年物では「スタンド バイ

ミー」。

そしてイギリス少年物だと「リトル ダンサー」。

 

リトル ダンサーは私の好きな映画ベスト10に入る。

ビリーをやってたジェイミー・ベルはいかにもヨーロッパの少年って風貌。

 

これは家族の物語だ。

イギリスは階級社会で、ビリーの家庭は炭坑労働者の家。貧しくは無いが豊かでも無い。平均以下かも。父、兄、祖母と暮らす4人家族。

母さんは亡くなってる。

 

炭坑は合理化され、反対する労働者はストで対抗。父も兄もスト派。

閉塞感の日々だけどビリーは自分を表現する喜びに出会えた。

 

バレエだ。

 

ロンドンのロイヤルバレエ団のオーディションを受ける為の費用を捻出する為、父はスト破りをする。

怒り責める兄にその時父がいう。

 

「俺たちはこの先、何があるんだ。でもビリーはまだ11歳だ。ビリーの可能性を活かしてやろう。」

泣きながら兄に言う。

 

でも父は最初はビリーがバレエをやることを認めてなかった。

 

父はビリーがボクシングの練習をしてるのでなく、こっそりバレエを習ってたことで激怒した。

しかし、ビリーが思い切り自分を表現する姿を見てしまった。

 

父の愛が泣ける。

この映画には、素敵なシーンが何箇所もある。

私が好きなシーン。

 

・バレエを反対され、家庭内も暗くその鬱屈した気持ちを表すのに、家の中から飛び出して街を駆け降りるビリーが踊りで自分のやり場の無い気持ちを表すところ。曲もいい。

 

・父がスト破りを怒る兄に切々とビリーの為に語るとこ。泣けます。

 

・ロイヤルバレエ団のオーディションで試験官に「君にとって踊ると言うことは?」と聞かれて

この答えと思いをダンスで見せるとこ。

 

・そして極め付けはラスト。

成長したビリーが白鳥の湖で見せる圧巻の踊り。

父さんが客席に来てるんだ。泣きながらそれを見る父のアップ。

 

私が好きな少年ビリーではなく、大人ビリーのアダム・クーパーが魅せる。一瞬だ。

白鳥の湖のあの耳に焼き付くフレーズ。

アダム・クーパーは本物のバレエダンサーでイケメン。

 

10何年ぶりに観たけど、リトル ダンサーは初めて観た時の感動が色褪せない心洗われる映画でした。